SaaSを活用したペーパーレス化とは?実現するための6つのステップ

最近「ペーパーレス化」という言葉をよく耳にしますが、具体的に何を指すのかピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
ペーパーレス化とは、紙の書類を使わずに業務をデジタルで行うことを意味します。
つまり、紙の文書を電子データに変えてパソコンやクラウド上で管理することです。
この取り組みは、書類整理の手間を軽減するだけでなく、業務のスピードアップや働き方の柔軟性向上にもつながるため、多くの企業が注目しています。
一方、長年の紙文化が根付いている企業では、デジタル化への抵抗感や導入コストへの不安があるのも事実です。とくに人的リソースが限られている企業では、デジタル化が進まない現状があります。
この記事では
1.ペーパーレス化が求められる理由
2.ペーパーレス化のメリットと業務効率化への影響
3.ペーパーレス化しやすい業務とは?
4.ペーパーレス化を実現するための具体的な6つのステップ
5.まとめ
について解説します。
ペーパーレス化に踏み出せずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
今、ペーパーレス化が求められる理由
近年、働き方や社会の環境意識の変化に伴い、多くの企業でペーパーレス化の必要性が高まっています。
とくに新型コロナウイルスの影響でテレワークが広がり「紙に頼った業務の限界」が明らかになりました。
紙の書類は回覧や保管に時間がかかり、リモートワークには不向きです。
実際にイライラした経験を持つ方も多いでしょう。
また、SDGsへの取り組みとして、企業にも環境負荷の低減が求められ「紙を減らす」ことが社会的責任として重要視されています。
この背景から業務のペーパーレス化・デジタル化が企業に求められています。
さらに、2022年施行の「改正電子帳簿保存法」により、条件を満たせば紙での保管義務が緩和され、電子データでの保存が可能になりました。
これにより、デジタル化に踏み切れなかった企業にとってペーパーレス化を進める大きなチャンスが訪れています。
ペーパーレス化のメリットと業務効率化への影響
ペーパーレス化は企業に多くのメリットをもたらします。
とくに人的リソースが限られている企業にとっては、効率的な業務運営のための重要な手段です。
では、具体的に何をすればよいのでしょうか?
ここではペーパーレス化のメリットと業務効率化への影響を解説します。
コストの削減
ペーパーレス化の最大のメリットは、コストの削減です。
紙やインクの購入費用を抑えるだけでなく、書類の保管に必要なスペースも大幅に削減できるため、物理的な書類を保管するためのキャビネットや棚が不要になり、オフィスのスペースを有効活用できるようになります。
また、印刷やファイリング、情報検索といった作業が不要になることで、削減した時間を重要な業務に振り分けることができ、企業全体の生産性が向上します。
以下に、具体的なコスト削減項目とその効果をまとめました。
コスト削減項目 | 説明 | 削減効果の例 |
|---|---|---|
紙の購入費用 | 紙の購入にかかる費用を削減 | 年間数万円の削減が期待できる |
印刷費用 | インク代やトナー代を含む印刷コストの削減 | 大幅な減少が見込まれる |
保管スペースのコスト | 物理的な書類の保管にかかるスペースを削減 | オフィスの効率化を図る |
管理コスト | キャビネットから書類を探し出す手間を削減 | 業務効率が向上 |
業務の迅速化
紙の書類を使っていると、回覧や承認に時間がかかります。
「承認者が忙しい」「承認者の数が多い」などの理由で、承認までの時間が長引くことも多いでしょう。
しかし、これらの作業をデジタル化することでプロセスが大幅に短縮されます。
たとえば、電子署名を利用すれば書類の承認が瞬時に行え、業務のスピードが格段に向上します。
また、必要な情報をすぐに検索できるため、業務の効率もさらにアップします。
以下に、従来のプロセスとデジタル化の利点をまとめました。
プロセスの側面 | 従来のプロセス(紙の書類) | デジタル化の利点 |
|---|---|---|
回覧・承認プロセス | 物理的に回覧され、承認に時間がかかる。とくに複数の関係者がいる場合、数日を要することも… | メールや専用プラットフォームで瞬時に共有。電子署名により、承認がリアルタイムで行える。 |
情報検索 | 物理的に保管されているため、必要な情報を探すのに手間がかかる | キーワード検索やフィルタリング機能で瞬時に情報を見つけられるため業務の流れがスムーズに |
コミュニケーション | 質問や確認は電話や対面で行う必要があり、時間がかかる | チャットツールやオンライン会議ツールでリアルタイムのコミュニケーションが可能 |
タスク管理 | タスクの進捗状況を把握するのが難しく、手動での管理が必要 | プロジェクト管理ツールでリアルタイムの進捗把握が可能 チーム全体での透明性が向上 |
データ管理 | 複数の場所に分散しているため、情報の一元管理が難しい 更新や共有に手間がかかる | クラウドストレージやデータベースで情報を一元管理 常に最新の情報にアクセス可能 |
企業のイメージ向上
ペーパーレス化は、企業の社会的責任を果たすために重要な取り組みです。
紙の使用を減らすことで以下のメリットがあります。
・森林資源の保護
・廃棄物の削減
・エネルギー消費の削減
・企業のブランド価値の向上
・持続可能なビジネスモデルの構築
最近、環境に配慮した企業は消費者から支持を受けやすくなっています。
ペーパーレス化はコスト削減だけでなく、企業のイメージ向上にもつながる重要なステップです。
ペーパーレス化しやすい業務とは?

ペーパーレス化は、特定の業務プロセスでとくに効果を発揮します。
ここでは、なぜその業務がペーパーレス化しやすいのか、そしてツールを導入することで業務効率がどのように向上するのかを説明します。
請求書処理
請求書の受領から支払いまでのプロセスは、デジタル化で大幅に効率化できます。
電子請求書を導入することで、手動入力や郵送の手間を省き、迅速な処理が可能になります。
とくに、請求書の自動生成や受領確認の自動化機能を持つツールを活用することでミスを減らし、処理時間を短縮できます。
▼おすすめツール
契約管理
契約書の作成、承認、保管をデジタル化することで物理的な書類の管理が不要になります。
電子署名を利用すれば、契約の締結もスムーズに行えます。
契約管理ツールを使うことで、契約書の迅速かつ正確なレビューが可能になります。
契約書の不利な点や抜け漏れを発見することができ、契約締結におけるリスクを抑えることができます。
▼おすすめツール
マーケティング資料の管理
マーケティング資料や報告書をデジタル化することで、必要な情報を迅速に検索・共有できるようになります。
これにより、チーム内での情報の流れがスムーズになり、意思決定が迅速化します。
とくに、資料のバージョン管理や共同編集機能を持つツールを利用することで、常に最新の情報をチーム全体で把握できます。
▼おすすめツール
会議の管理と運営
会議の準備や運営も、デジタルツールの活用によって効率化できます。
たとえば、アジェンダや資料は事前にオンラインで共有することで、紙の配布が不要になります。
会議中の議事録もその場でデジタル作成・共有ができ、情報の確認や共有がスムーズに行えます。
さらに、参加者からのフィードバックはオンラインフォームで収集すれば、紙のアンケートも不要です。
ビデオ会議ツールを使えば、物理的な会議室に集まる必要もなくなり、場所にとらわれない柔軟な会議運営が可能になります。
▼おすすめツール
プロジェクト管理
プロジェクトの進捗状況やタスクの管理をデジタルツールで行うことでチーム全体の透明性が向上します。
リアルタイムでの情報共有が可能になり、コミュニケーションの効率も改善されます。
人事関連業務
採用活動や社員の評価、勤怠管理などの人事業務はペーパーレス化が進めやすい分野です。
オンラインでの応募受付や評価システムを導入することで、書類のやり取りを減らし業務を効率化できます。
とくに応募者のデータを一元管理できるシステムや勤怠管理の自動化機能を持つツールを活用することで、業務の負担を軽減できます。
※製品の仕様やサービス内容は変更される可能性がありますので、最新の情報は各社公式サイト等でご確認ください。
ペーパーレス化を実現するための具体的な6つのステップ

ペーパーレス化は、すぐに成果が出るものではありません。
しかし、計画的に進めることで効果を上げることができます。
ここでは、企業の管理者が実践できる具体的なステップについて解説します。
STEP1. 現状の業務プロセスを見直す
まずは、現在の業務プロセスを詳細に把握することが重要です。
どの部分で紙を使用しているかを徹底的に洗い出しましょう。
頻繁に使用される書類や時間がかかっているプロセスを特定することで、ペーパーレス化を進めるべき優先順位を明確にすることができます。
STEP2. デジタル化する書類を選定する
次にペーパーレス化の対象となる書類を選定します。
たとえば、請求書や契約書、報告書など頻繁に使用される書類からデジタル化を始めることをおすすめします。
重要なのは、どの書類がデジタル化によってもっとも効果を発揮するかを考えることです。
STEP3. 適切なデジタルツールを導入する
ペーパーレス化を進めるためには適切なデジタルツールを導入することがポイントとなります。
クラウドストレージや電子署名、ドキュメント管理システム、プロジェクト管理ツールなどを活用することで書類の管理や共有がスムーズに行えるようになります。
STEP4. 社内での教育と意識改革
新しいツールを導入する際には、従業員への教育が不可欠です。
ペーパーレス化のメリットや新しいツールの使い方をきちんと説明し、従業員が積極的にデジタル化に取り組むよう促しましょう。
また、成功事例を共有することでモチベーションを高めることができます。
STEP5. 小さな成功を積み重ねる
これは非常に大事なポイントです。
ペーパーレス化は一度にすべてを変える必要はありません。
使い慣れたものが急激に変わってしまうことに、多くの人は不安を感じます。
焦らずに小さな成功を積み重ねることで従業員の抵抗感を減らし、徐々にデジタル化を進めることができます。
特定の部門から始めて、成功したら他の部門にも展開するというアプローチが有効です。
従業員の抵抗感を克服する方法
教育とトレーニング
ワークショップやオンラインコースで新しいツールやプロセスを理解させる。フィードバックの収集
アンケートや面談で意見を把握し、信頼関係を築く。成功事例の共有
社内ニュースレターやミーティングで成功事例を紹介し、モチベーションを高める。段階的な導入
小規模なパイロットプロジェクトを実施し、成功後に全社展開する。インセンティブの提供
積極的な従業員に報酬や表彰を行い、モチベーションを向上させる。
STEP6. 定期的な評価と改善
ペーパーレス化を進めた後は、定期的にその効果を評価し、必要に応じて改善を行いましょう。
どのプロセスがスムーズに進んでいるか、どの部分で課題が残っているかを把握し、次のステップに活かすことが重要です。
定期的な評価の具体性
評価指標の設定
コスト削減率、業務プロセスの効率化、従業員の満足度を測定する。レビュー会議の実施
月次または四半期ごとに進捗状況を共有し、課題を話し合う。改善策の実施
PDCAサイクルを導入し、定期的に評価と改善を行う。データの可視化
ダッシュボードを作成し、進捗状況を全員が確認できるようにする。
まとめ
ペーパーレス化は、企業にとってコスト削減や業務効率の向上、環境への配慮といった多くのメリットをもたらします。
デジタル化を進めることで、業務プロセスを見直し、迅速な意思決定やリモートワークの推進が可能になります。
これにより持続可能な成長を実現するための基盤が整います。
このような取り組みは、単なるトレンドではなく、企業の未来を切り開くための戦略的な選択です。
今こそ、ペーパーレス化に向けて一歩を踏み出し、ビジネス環境に適応していく時です。
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